おすすめ先物取引会社3選
日本国内でも多くの人の生活に影響を及ぼしている新型コロナウイルス(COVID-19)。経済への影響も危惧されているため、先物取引を行っている投資家も無視できません。今回世界で流行している新型コロナウイルスは、原油の先物取引にはどのような影響を及ぼすのでしょうか。
新型ウイルスに関連して考えておきたい影響の度合いや現在起きている事態をご紹介します。以前流行したSARSの事例から考える、今後起きうるシナリオも取りあげます。
新型コロナウイルスがどのような影響を及ぼしてきたのかまとめてみました。新型コロナウイルスは軽視できる問題とは言えないのはなぜでしょうか。先物市場に起きている変化も取りあげます。
新型コロナウイルスの集団感染が始まったのは中国湖北省にある武漢です。日本へ入国する人への検疫や感染の疑いのある人への検査の点でよく名前を聞くようになり、知名度が一気に上がりました。
武漢の人口は約1,000万人。人口だけでいうと東京の人口を超える人が住んでいます。湖北省全体だと人口は6,000万人弱です。現在空路も陸路も交通が規制されているため、事実上街は閉鎖されています。
交通が規制されたということは、原油需要の減少を意味します。武漢以外の都市でも外出を控えるように指示が出されている場所があるため、影響は少なからずあるでしょう。
武漢という大きな都市は、新型コロナウイルスによって経済活動が停止している状態です。ただし、影響が出ているのは武漢だけではありません。新型コロナウイルスの感染者数がある程度出ている上海でも、新型コロナウイルスの影響を受けています。本来は2020年1月24日から1週間程度の春節休暇でしたが、企業や学校の休暇・休校期間を延期しました。
新型コロナウイルスの影響を受けて、多くの都市で経済活動が停滞。企業間の売買や物流などがうまく機能していない状況です。従業員がいないために、工場などが休業に追い込まれているケースもあります。経済活動が停滞していることによって、原油の需要はさらに落ち込むでしょう。
先物市場に注目すると、新型コロナウイルスの影響がよく分かります。たとえば、東京商品取引所(TOCOM)の例を見てみましょう。
2020年に入っての高値は1月8日の45,320円(1キロリットルあたり)です。しかし、1月20日を過ぎたあたりから価格は急落し、2月3日には35,870円まで下がりました。2月21日に40,290円まで回復しましたが、2月27日時点で35,020円までまた大きく下落。
新型コロナウイルスの感染者は中国だけでなく、世界全体の国々に広がっていることにも注目できます。今後も新型コロナウイルスが大きな影響力を与えると考えられるので、産油国がどのような対応をするのかにも注目しながら市場を見ていきましょう。
以前猛威を振るったSARSの例から新型コロナウイルスの今後を推測してみましょう。大きな被害が出ずに事態は収束していくか、それとも最悪の事態に突入してしまうのでしょうか。それぞれのシナリオをご紹介します。
SARSの流行が始まったのは2002年11月です。中国の広東省で最初の感染が確認されました。その後、9か月経った2003年7月まで問題は長引きます。最初は冬だけで流行が終わると考えられていましたが、実際には翌年の夏になってようやく収束しました。
感染者数は合計で約8,000人です。中国を含めて30を超える国や地域で感染者が出ていました。そのうち死亡したのは775人です。死亡率は約9.6%と言われています。
はじめのうちはハクビシンがウイルスの感染源として疑われていましたが、のちに一種のコウモリが原因であることが判明。当時も感染力が高いスーパースプレッダー(強い感染力を持つ人)が存在し、多くの人々に不安を覚えさせました。
2019年12月に武漢で発症が確認された感染症です。WHOが2月27日に出した報告では、中国では78,630人の感染者と2,747人の死者が出ています。中国以外の場所では感染者の合計が3,664人で、死者が57人です。SARSに比べると短い間に多くの感染者と死者を出していることが分かるでしょう。
致死率を見ると中国国内の致死率は約3.5%なのに対し、中国以外の地域での致死率は約1.5%であることが分かります。現時点でSARSほどの致死率はないそうです。
新型コロナウイルスとSARSのウイルスは多くの共通点があります。相同性が80%もあるという意見もあり、SARSウイルス撲滅のために培った技術や経験を新型コロナウイルスに対処するために用いられるでしょう。特効薬はまだありませんが、各国が力を入れて新型コロナウイルスの対応をしています。
一番望ましいのは新型コロナウイルスが急速に収束するシナリオでしょう。一時期は2月がピークという意見も出ていました。ピークが過ぎた3、4月にはまだ市場がもとの状態を取り戻すという意見です。
実際に冬が終われば新型コロナウイルスは落ち着くという考えもあります。厳しい寒さがなくなることで、新型コロナウイルスによる肺炎にかかりにくくなるからです。冬に収束して新型コロナウイルスを心配する必要がなくなれば、市場への被害も一時的なもので済みます。
現在起きているような、中国国内の経済活動が停止している状況も速やかに改善するでしょう。企業が再び活動を開始し、市場も活気づきます。中国旅行者がまた中国国内や世界を旅して周るため、観光地の産業も潤うはずです。我慢の時期を乗り越えてあらためて各企業や事業主が奮闘する時期が訪れます。
新型コロナウイルスがもたらす最悪のシナリオも考える必要があるでしょう。新型コロナウイルスがなかなか収束しないパターンのシナリオです。2月末現在、新型コロナウイルスは収束の兆しを見せていません。最近になって感染者数が急に増えている国もあります。今こそ一丸となって対処しなければならない状況と言えるはずです。
万が一このまま新型コロナウイルスが流行していったらどうなるでしょうか。中国経済だけを見ても、ひどい影響を受ける可能性があります。たとえば、中国国内のスターバックスをはじめ、大型チェーン店も休業。長期にわたって営業できない状況がさらに続けば、市場に甚大な影響を与えるでしょう。
中国経済の成長率について、新型コロナウイルスの影響で成長率が落ち込むと考える専門家もいます。ほかにも、多くの専門家が経済の先行きが不透明としているのが現状です。
中国経済が不況になると、多くの企業がデフォルトのリスクを抱えます。中国国内で混乱が起こり、世界へ波及する恐れがあるでしょう。中国政権が国内の混乱を許すとは考えられませんが、常に意識をしておきたい状況です。
新型コロナウイルスは人々の生活や心理にさまざまな影響を与えます。それによって経済や市場に多くの影響が出るでしょう。投資家としては今回起きている事態を軽視できません。随時更新されるニュースをチェックしながら、最適な投資案件を探す必要があります。
原油価格をチェックするとともにほかの投資商品に注目するのもおすすめです。金先物など強さを見せる商品もあります。また、企業の株価が一時的に落ち込んでいる場合、事態の改善とともに株価も回復するでしょう。しかし、企業が事態の深刻さに持ちこたえられない場合、投資家として大きなリスクを負うことになります。
日本国内の状況はもちろん、中国や世界の状況を日々チェックすることが大切です。新型コロナウイルスの対策にプラスして、金融政策が発表されることもあります。リスクを把握しつつも、チャンスを見逃さないのが先物取引を行うための大事なポイントです。