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差金決済

先物取引を理解するための重要キーワードである差金決済。その仕組みやメリットをわかりやすくまとめました。現渡しについても。

差金決済を理解する

先物取引を特徴づける性格のひとつが差金決済。この制度のおかげで、手元に商品や代金の総額がなくても取引が可能になっています。

差金決済の仕組み

差金決済とは、決済時に現物と代金のやりとりをするのではなく、反対売買をすることで決済する方法です。

具体的には、先に買い契約をしていたら同じ量の売り注文を出すことで売買の相殺をします。同様に、売り契約が先なら買い注文を出すことで相殺します。

先物取引は「将来売買をする」という約束のもとに行われるので、決済をするまでの間に商品と代金のやり取りはありません残るのは売りと買いの差額だけです。差金決済では、決済後にこの差額のやり取りだけが行われます。

反対に、現物と代金のやり取りをして決済をすることを「現渡し」と呼びます。もちろん先物取引でも代金を支払って商品を受け取ることは可能です。

差金決済のメリット

上で紹介した差金決済のメリットを説明します。

売りから始められる

差金決済で行われる先物取引は、商品を持っている必要がありません。ですから、手元に取引する商品がなくても売り契約をすることができます。

つまり、取引においてはじめに売りから入ることができるわけです。将来価格が下がると分かっていれば、売り契約をしておいて、価格下落後に買い戻せば、差額が利益になります。相場が下落傾向にあっても利益が出せるのは、この差金決済という仕組みも根拠のひとつになっています。

投資効率のよい取引が可能に

先物取引は現物と代金総額をやり取りすることがありません。そのため、契約を担保する証拠金だけで取引ができます。商品総額の5~20%にあたる証拠金で多額の取引ができるわけですから、投資効率は非常によくなります。

また、商品のやり取りがないため同じ日に売買した銘柄をもう一度取引することも可能です(※)。株では差金決済が禁止されていますが、商品先物取引ではこれが可能になるのです。

※1回目の売買で発生した資金は利用できない。この資金とは別に買付け余力がある場合に同じ銘柄を購入することができる。

差金決済の具体的な例

上の説明でピンとこなかった方は、以下で具体的に実際の先物取引で差金決算を行う流れを紹介するので確認しましょう。

Bさんの先物取引

ここでは、Bさんが「金」の先物を1枚買ったとして解説していきます。

条件

  • 1枚に必要な証拠金:100,000円
  • レバレッジ:40倍

これでBさんは、100,000円の資金で、4,000,000円分の金先物を買うことができる権利を得たことになります。

価格が上がった!

Bさんが注文した後、金の価格が100円値上がりしました。レバレッジは40倍ですから、100円(差額)×40倍(レバレッジ)で、40,000円の含み益が出ていることになります。

しかし、商品先物取引とは「将来この価格で買います」という「権利」だけの取引。この時点では、Bさんは4,000,000円の金を、4,040,000円で売る権利を持っているだけ

利益を確定するためには、権利を行使しなければなりません。つまり、4,000,000円分の金を実際に買って、それを4,040,000円で実際に売る必要があります。

4,000,000円なんて用意できない…

しかしながら、4,000,000円の現金を準備するのは容易なことではありません。Bさんも「金」自体を購入する気はなく、差額の40,000円だけ欲しいわけです。

このように、投資家は現物の金の取引などに興味はなく、差額の利益だけ欲しい人がほとんど。あるいは、損失を出すならば、現物の金の取引など経由せずに、差額の損失だけを払って終わりにしたいところ。

差金決算なら4,000,000円を用意せずに利益を得られる

そこで「差金決済」という仕組み。これは文字通り、差額の金額だけで決済できるもの。簡単に例えるならば、お金を1円も払わずに100万円分の金を買い、その日のうちに101万円で売ります。すると差額の1万円だけ手に入りますよね。これが差金決済です。

この差金決算により、Bさんは4,000,000円の現金を用意することなく、40,000円の利益を獲得できました。

先物取引では、差金決済が当たり前です。しかし、投資の世界で最も資金が動いている「株式市場(現物)」では、差金決済が禁止されているので気を付けましょう。

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